教育デザインコース<専門領域>
教育デザインコース
初等・中等教育の根底にある人間と社会の再生産の理念と、理念を各教科等において具体化することを目的として、教育科学と教科教育学と教科内容学を接合して、新たな教育方法・教育理念を開発しデザインする。
本コースでは、教育科学科目群、教育開発科目群、教科内容科目群からそれぞれ4単位を選択必修として、それぞれの学問領域が教員養成・教師教育にいかに関わっていくかを学ぶ。履修については、コア科目担当教員の指導のもと、いまだ分立している学問領域を組合せ、大学教員と院生が協働して、教育学研究科にふさわしい新たな「学」へと練り上げていく。自分の目的に応じて専門科目を履修できる柔軟なシステムを導入しているので、学生自身の研究プランに応じて、専門領域にとらわれることなく、自由に個性的な受講が可能である。
このコースでは、小学校と中学校・高等学校各教科の専修免許状取得が可能である。それぞれの免許状に対応する形で各教科の学問領域が体系化されており、選択科目が設置されている。免許法に従って20単位の専門科目を選択することによって、教科・科目の専門領域を体系的に学ぶことができる。
<専門領域>
- 臨床教育
- 教育関係者の実践的リカレント教育をその目的に含みつつ、具体的には、①カリキュラム・マネジメントや授業の具体を対象とした臨床的な研究、教育の情報化に関わる実践的な研究や、②学校教育における不登校、いじめ、学級崩壊等の臨床的な諸問題について、その要因の分析と対処法に関わる実践的な研究を推進し、その上で、③臨床教育の場面で有効に機能する具体的なシステムを構築することのできる高度な実践的能力の形成を目指す。
- ※臨床教育専門領域は、平成29年度より募集を停止します。
- 教育学
- 複雑化した現代社会の人間形成と学校教育の問題を多面的かつ構造的に理解し、これからの教育環境を総合的にデザインできる専門的力量を養成する。理論的、臨床的研究を通じて獲得した教育デザインの力を、実際の教育場面において活用できる理論と実践の力量を身につける。
- 心理学
- 教授学習、認知、教育臨床、発達などの実証的研究に基づき、学校内外での学習・生活・実践の場面において心理学的支援を行い、児童・生徒・学生等の発達や教育の発展に寄与するために必要とされる高度な知識と技能の修得を目指す。
- 日本語教育
- 日本語教育学、日本語学、日本事情などの諸学問の成果の上に立ち、日本語を母語としない人々や子どもたちにどのように日本語の力を付けるのかを明らかにすることを目的とする。
- 国語
- 国語教育学、国語学、日本文学、中国古典学、書写書道教育学などの諸学問の成果の上に立ち、現代の学校教育における言語文化の伝達と創造を、どのように実践的に展開したらいいのかを明らかにすることを目的とする。人間形成にどのように言語文化が関わるのかを研究する。
- 英語
- 英語教育学、第二言語習得論、英語学、英米文学などの諸学問を融合させながら、今日の英語教育が直面する諸課題の解決や英語圏の言語文化の研究に必要な知識や技能の修得を目指す。
- 社会
- 学校教育における社会系教科の教育課程と児童・生徒の社会認識の発達段階を踏まえて、社会の変化に対応した社会認識の育成・深化を図り、社会参加能力の育成を促すうえで必要な学習内容の在り方や学習指導過程、及びその基盤をなす社会科学や人文科学について研究し、高度の理論的かつ実践的力量の育成を目的とする。
- 数学
- 算数・数学の教授学習論と基礎数学及び応用数学と融合させながら、今日の算数・数学教育の諸課題を解決するのに必要な知識や技能の修得を目指す。
- 理科
- 今日の理科教育が直面している諸課題を、理科の教授学習論と物理学、化学、生命科学、地球科学等と融合させながら、解決するのに必要な知識や技能の修得を目指す。
- 技術
- 技術と生活とのかかわりを視野に入れながら自然の法則性を適用した合理的なものづくりの実践力とともに、現代の生活に大きな影響を与えるテクノロジーについて、それを公正に評価することのできる能力を持った児童生徒の育成を目指して、理論的・実践的指導力を身に付ける。
- 家政
- 家族、子どもや高齢者、衣生活、食生活、住生活等に関する生活課題を総合的に追究することを通して、人間の生涯にわたる成長・発達の上で重要な家庭生活の様相を多面的に把握するとともに、現代生活における問題解決や支援の方法を探求し、多様化する生活を主体的に生きるための実践力と指導力を身に付ける。
- 音楽
- 現代の学校や社会における教育的課題に対して、音楽がどのような役割を担っているかが問われている。音楽そのものの理解と研究、そしてそれに基づいた方法論を探究しながら、教育の目的や今日的課題に照らしたカリキュラム開発、および実践論を研究することを目的とする。
- 美術
- 美術は、共同体であろうと個人であろうと、主体と世界の関係を構造化し、それによって主体位置規定を与えてきた。今日、主体との関係を欠いたイメージが散乱する中、主体と世界との関係を捉えなおさなければならない。教育の目的や今日的課題に照らしたカリキュラム開発や実践的方法論の展開を通してそれらに応えていくことを目的とする。
また、美術の現在や時代の急激な変化に対応する電子メディアを取り入れたデザイン教育なども重視する。 - 保健体育
- 児童・生徒の体力向上、青少年の積極的なスポーツ参加、成人と高齢者のアクティブライフ等の今日的な課題を、保健体育や健康教育という広域科学としての視点から分析・批判できるような学生の能力を高めるとともに、彼らの課題固有の問題を発見する能力と問題を解決する能力の育成を図る。
さらに、身体にかかわる教育の質的な意義を問い直すなかで、対症的解決の積み重ねではなく根本的な問題解決を策定し、実効性のあるカリキュラム開発を可能とするような保健体育および健康教育の専門的指導者の養成に取り組む。